【法廷から】親らしい姿、最後までなく 2歳長男虐待死(産経新聞)

 ■「夫の暴力怖くて…」責任なすり合い

 「バカの餌が終わった」「バカがうるさくて口をふさいだ」。菅野理香被告が夫に送ったメールだ。「バカ」とは長男のこと。検察側は法廷で菅野被告と夫が長男にした「仕打ち」をつまびらかにした。

 長男の知能を確認するため、たばこの吸い殻を食べるかどうか試した。虐待の影響で2歳半の長男は身長約84センチ、体重約10キロと1歳半ほどの体格しかなかった。長男はゴミ箱に両膝を曲げ、太ももが腹に押しつけられた状態で詰め込まれた。ゴミ箱は気温約4度のベランダに1時間以上も放置された。寒空なのに、長袖Tシャツと長袖シャツ、紙おむつだけの姿だった。

 検察側は夫と菅野被告の公判でそれぞれ、責任の重さを追及したが、2人の言い分は平行線。自分勝手な責任のなすり合いは醜く、長男への愛情や死なせてしまったことへの真摯(しんし)な反省など、みじんも感じられなかった。

 夫は捜査段階の調書で、「妻が大好きで、子供より妻のことを考えていた」と述べ、菅野被告の意向を酌んで虐待に走ったと釈明した。一方、菅野被告は「夫の暴力が怖くて虐待を止められなかった」「長男に愛情があるのは自分だけ」と声高に語った。しかし、逮捕までの半年間、墓参りにさえ行っていなかった。

 最終意見陳述でも菅野被告は「長男とずっと一緒にいたかった」「どうして長男が死ななければいけなかったのか」と述べたが、むなしく響くばかりだった。

 子供を持ちたいと願っても、授からない親も大勢いる。2人は刑事被告人としては裁きの場に立った。しかし、「子供を死なせた」という起訴内容を認めながら、最後まで親としての姿を見せることはなかった。亡くなった長男を思うと、やりきれない。(福田涼太郎)

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